茶生産における交信攪乱剤の経過を共有
2020.8.7
西尾市茶業組合は8月4日、防除委員会をJA西三河西ノ町支店で開き、茶生産における交信攪乱剤(性フェロモン剤「ハマキコンーN」)の経過を共有しました。減農薬栽培による「西尾の抹茶」ブランド向上をめざし、2016年から「ハマキコンーN」の団地設置を検証。病害虫の発生が多い7月の結果を踏まえ、栽培に役立てています。
防除委員会には茶の専業農家8人をはじめ、県西三河農林水産事務所農業改良普及課や農薬会社、JAなど15人が参加。8月上旬時点の害虫発生状況を踏まえ、使用薬剤を検討しました。また農業改良普及課の指導員からは、4月下旬に設置した「ハマキコンーN」の経過報告があり、参加者らは防除と併用して「ハマキコンーN」を活用することでチャハマキ、チャノコカクモンハマキ等の対象害虫の密度を下げていくことを確認しました。
団地設置の検証にあたって今年は150㌃の試験区と10㌃の慣行区の2か所を試験区とし、10月まで継続観察します。試験結果は組合員へフィードバックし、今後の防除に生かします。
近年では「西尾の抹茶」の輸出量が増え、使用できる農薬が制限されていることから、チャハマキやチャノコカクモンハマキなどの害虫が発生。西尾市は圃場(ほじょう)の高低差が少なく、棚式覆下栽培で設置しやすいため、高い効果が見込める産地であり、22件が1,641㌃で設置して環境にやさしい防除に努めています。また吉良地区の茶生産者で組織する吉良茶業組合では今年度より「ハマキコンーN」の団地設置の試験を開始。JAでは管内の茶生産者と連携を図り、交尾を連続的に阻害し交尾率を低下させることで、害虫の発生を減らすとともに農薬剤費と労働力の低減が期待できる「ハマキコンーN」について、全圃場での取組みに対する理解促進を後押ししています。