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農大 GAP実践農場を視察し、農業経営に生かす

2020.12.14

選果場での講義のようす

 愛知県立農業大学校は12月9日、農業者生涯教育研修(GAP研修)として西尾市でミニトマトを栽培する天野正巳さんのもとを訪れました。出荷先からの信頼感向上や経営管理上の課題解決の取組みとして、GAPの認証取得・実践に興味を示す農業者が増加していることから、実践農場を視察しGAPへの取組みを推進していきます。
 この日、農業者が高度な経営ノウハウを学ぶ「愛知農業次世代リーダー塾」の参加者をはじめ、県内農家約30人が参加。JA西三河吉田トマト選果場で、「GAPの認証取得と実践」と題して天野農園におけるJGAPの取組みについて紹介しました。天野さんは取得の経緯から取得に至るまでの流れ、かかった費用や効果など実際に感じた点を踏まえて説明。「すべてを文書化するため書類整理が大変だが、農場管理の見える化を図ることで食品安全や労働安全などを考えるきっかけとなり、より一層意識的に取り組めるようになった。認証取得にこだわらず、機会があればGAPの実践に一度挑戦してほしい」と参加者に呼び掛けました。その後の現地視察では、実際にハウスを見学しGAP実践を通じて改善した点を確認。参加者は品目の垣根を越えて活発な意見を交わし、認証GAPへの理解を深めました。
 トマトの出荷を担当するJA西三河あぐりセンター小牧の犬塚雅輝センター長補佐は「まだまだ消費者にGAPが浸透しておらず、認証取得が直接売上増加に結びついていないのが現状。今後も引き続き、安全安心な生産に努めている点をアピールして販売していきたい」と話しました。

 天野さんが所属するJA西三河ミニトマト共選組合は完熟房取りミニトマトを「赤美味(あかうま)」のブランド名で販売。安全・安心な農産物づくりをさらに推し進めていこうと、今年3月に組合員4人全員が足並み揃えてJGAP認証(農業生産工程管理)を取得。産地全体で生産工程を見える化し、持続可能な農業経営の確立をめざしています。