大豆収穫が本格化、新品種「フクユタカA1号」に全面切り替え
2020.12.8
愛知県内トップの大豆生産量を誇る西尾市で12月上中旬、大豆の収穫が最盛期を迎えています。昨年度まで遺伝子組み換えされたものでない、安全・安心で高品質な大豆「フクユタカ」を生産。今年度より「フクユタカ」と同等の品質を持ちながら莢(さや)がはじけにくくなる難裂莢性を特徴とする新品種「フクユタカA1号」に全面切り替えを行い、11月下旬より収穫作業が始まっています。今年は長梅雨により播種時期が2週間ほど遅れたものの、台風や害虫(ハスモンヨトウやカメムシ)被害も少なく、品質・収量ともに上々。収穫・選別した大豆は、生産者がJAへ持ち込み、品質検査を経てJAあいち経済連や食品加工業者に出荷。飲食店や小売業者を通じて消費者のもとへ届けられます。西三河農協農作業受託部会の花木道明部会長は「新品種はさや付きが良く、ほ場を見ても収穫前に実がはじけ落ちているものが少なく感じる。今年は長雨で播種が遅れたが、例年並みの収量が見込めるのでは」と期待を寄せています。当JAでは12月から2月中旬にかけて、管内3か所の営農センターで週に4回検査を実施。重量、水分量、粒の大きさや形の揃い方などを検査し等級づけを行います。
タンパク質を多く含む「フクユタカ」は豆腐の原料として実需者から評価が高く、東海地方では全体の9割以上を占める主力品種。一方で収穫時期に自然に莢が弾けやすくなる性質が課題でした。今年度より、県が奨励品種に指定する「フクユタカA1号」に全面切り替えを行い、裂莢によるコンバイン収穫ロスや自然裂莢によるロスを軽減して収量向上を図り、安定した大豆生産につなげていきます。
西尾市では米・麦・大豆の専業農家48人生産者が約1,250㌶の水田で約1,530㌧の大豆を生産(令和元年度)。管内では米・麦・大豆農家への農地集約が進んでおり、二年三作のブロックローテーションが盛んです。技術力の高さを背景に高い単収を挙げており、大豆のほか麦作でも全国トップクラスの生産力を誇っています。