JA西三河のこと

ICTツール活用による技術向上・経営強化


バラの栽培ハウスで「あぐりログBOX」の表示を確認する農家


ICT協議会 市内で農業用ICTツールを利用する生産者が集まり、情報共有を行う

 JA西三河は、農家所得増大をめざす自己改革の一環として、ICTツールを活用した施設園芸の高度化を進めています。温度・湿度・CO2濃度の見える化により農家の気づきを引き出し、ハウス内環境の最適化により光合成能力向上から生産量増大につなげています。さらに機器導入の際の制度資金活用、灯油価格高騰時のコスト施策など、多段階の施策で産地力の増強をめざしています。

 JAでは、技術革新の著しい施設園芸に着目し、2014年度より農家とともに独自にICTツールの開発に着手。技術力の高い農家とIT企業と緊密に連携し、現場のニーズに即した使いやすいツールを開発しました。

 開発したのは環境測定器「あぐりログBOX」、食・農クラウド「Akisai(秋彩)」の2種。これらのツールは2015年度よりキュウリを中心にイチゴ・トマト・ハウスイチジク・バラ・菊の各部会で本格導入を開始し、温度・湿度・CO2濃度等の環境測定データや栽培履歴の共有を通して栽培技術の見える化・ノウハウ化を図っています。2020年8月現在、管内での利用数は「あぐりBOX」141台、「Akisai(秋彩)」は56名にのぼります。

 JAは収集したデータを活用して各部会で研究会やセミナーを多数開催し、農家の意識改革を図りました。既存施設の高度化に向けた意欲を引き出し、環境制御装置の設置要望を取りまとめ、国・県やJA愛知信連の補助事業を積極活用。2016・2017年度には、高透過率被覆資材やカーテン自動開閉化、暖房機の能力向上、CO2発生機、養液土耕システムなど様々な装置を管内で約1800アールに導入しました。またCO2発生機の燃料となる営農用灯油の価格の高騰が見られた2017年冬にはJA独自の支援策を展開し、ランニングコスト低減を通して生産性向上をさらに後押ししました。

(2020.8)